2015年11月23日月曜日

第1旅 glass cafe gla_gla

深秋の中山峠。

紅葉に夕陽があたり、燃えるような赤に包まれて車は一路 洞爺glass cafe gla_gla へ。

連載第1回目のクリエーターは高臣大介さんです。


以前から作品は何度も拝見していましたが、制作現場にお邪魔したのは今回がはじめて。

小学生の頃、小樽で吹きガラス体験をして以来、人生2度目のガラス工房訪問です。

工房に入ると、いつもの陽気な大介さんからキリリと作家、高臣大介へ。

空気感が変わり、こちらも緊張…

せっかくなのでと大介さんの計らいで、HOCLIPでお取り扱いの「クニュクニュ」を制作して頂ける

事になりました。

制作アシスタントは"ファンタジスタ典子"こと藤原典子さん。

大介さんの作品は無色透明なガラスで、型を使わずに作る"宙吹きガラス"の技法。

宙吹きガラスの最初の工程は、1130℃~1140℃の炉で熔けたガラスを吹き棹の先端に巻き取り、少しずつ吹きながら宙で形を整えます。

常に吹き棹をクルクル回転させておかないと軟らかくなっているガラスは重力によって変形してしまいます。
濡れた新聞紙を当てながらクルクル…
カタチを成形していきます。

ジャック(ガラスの形を整えたり、筋目を入れるのに使う金属製の道具)でクニュクニュの脚部分を形成。

脚が少し隆起し、クニュクニュの一番の特徴である脚のデザインを種切りはさみ(刃の形状が特殊で「く」の字型になっている道具)で形成。

これぞ、宙吹きガラス!!
クニュクニュのカタチが見えてきました。
再度、炉で熱し…
大介さんのトレードマーク、
愛用の一本下駄。
吹いて…
クリエーター高臣大介の背中。
本当に吹いてる時の大介さん、カッコイイです♪
何度もクルクル回しながらジャックで
整え、吹いて、熱し
を繰り返し完成へと近づいていきます。
ここで、アシスタントの典ちゃん登場。
グラスの土台部分形成へ、新しい熔けたガラスとドッキング。
底を平らにして…
一番アシスタント歴の長い典ちゃん。
大介さんとも「あ・うん」の呼吸です。
グラス口を開くため次の工程へ。
典ちゃんはグラスの底部分のところにポンテという鉄棒を付けます。
細いパイプに円錐状のかさがついた金属製の道具、バファーで息を吹き込み、ジャックで口を広げていきます。

最後の仕上げ作業。
最後に、典ちゃんがポンテから切り離す作業をして完成です。
切り離した部分をきれいにバーナーで熱して制作完了!!











その後、「徐冷」(じょれい:徐々に冷ます)していきます。

この徐冷を約一日かけて行い本当の完成です。

1作品の上記工程が約6~7分。

大介さんは途中鼻歌を歌いながら制作されていましたが、私は写真を撮るのに必死です…(汗)

うかうかしていると作品が完成してしまうので、工程を撮影するのに必死でした。

制作を見学させて頂いて、ガラス炉の熱気と大介さんの気迫と取材第1回目という若干の緊張で、

外は秋深まり寒さが増すなか、終わった時には汗だくでした。


クニュクニュ


サイズ
Φ8cm H17.5cm

この作品は1点1点手作業でつくられているため、
色の濃淡、サイズ、かたちに個体差がございます。
販売価格8,640円(税640円)
購入数



gla_glaのチャーミング・ネーミング♡


初めて私がgla_glaを知ったのは定かではありませんが、今から10年くらい前でしょうか…

当時から現在に至るまで、特に私が興味を持ち、大介さんの作品で好きなのがそのネーミング。

自身のオンラインショップでは、

『ひとつひとつタイトルがついているガラスたちは、とっても妄想狂の俺のストーリーや詩から出来上がっています。
(たまに違う物もあるんですけど!!)』

と綴っていますが、大介さんの心をのぞき見できる気がするそのネーミング。

作品と作品名を見て感心する時もあれば、やられたぁって時もあれば、女子心をくすぐられる時も

ある。

大介さんの作品とそれに大事に付けられた作品名には、それだけ人の心を揺さぶり、動かすもの

があると思います。

『満月のグラス』
 
このグラスにビールを注ぐと本当に満月のようにみえます。
【写真提供:from gla_gla】


『ゆれる想い』

底が丸く不安定の為揺れます。
コトバとカタチがリンクしている好きな作品
【写真提供:from gla_gla】
 
 
『燃える男はロック!』 
 
大介さんらしい代表作。
このグラス、ゴツゴツ感たまらないのと、実物は重い…(営業妨害!?かも)
でもそこが名前の通り男臭い。これでウィスキーをロックでなんて渋い。
ちなみにこのグラス、女性が使うときは『燃えろ!いい女!!』に変わります。
そこもお茶目♪
【写真提供:from gla_gla】
 
 
『野傍の泉池』
 
私が今、一番家に飾りたい作品です。
2012年頃から大介さんの個展で毎年素敵な音を奏でている作品。
個展での本数が年々増して、圧倒的な存在感に。
【写真提供:from gla_gla】
 
 
『王様の休日』
 
いつも気取っていなくちゃならない王様が「休日にはこんなグラスでどうですか?」
と大介さんからのどこかの国の王様に向けたご提案のグラス。
大介さん曰く、「どこかの王様!このブログを見ていて気に入りましたら是非ご一報くださいね。
納品の時は是非とも俺が行かせて頂きます。」
と大介さんのメルヘンをのぞかせた作品。
【写真提供:from gla_gla】
 
 
 
素敵な作品名はまだまだ、ご紹介しきれないのでご本人のブログで是非checkしてみて下さい。
 
 
 
 
今回、大介さんの工房を見学させて頂き、gla_glaでお酒を頂きながらお話させて頂いて改めて思う
 
のは、クリエーター高臣大介は自身の作るガラスそのもののような気がします。
 
その透明なガラス同様ピュアで、ガラスのようにもろく繊細な一面もあり、溶けたガラスのように熱く
 
一本気です。
 
これからの大介さんの前進が楽しみでしょうがありません!
 
今月末からはいよいよ海外個展、来年はモエレ沼公園・ピラミッド内でのイサム・ノグチのAKARI
 
とのコラボレーションと目白押しです。
 
皆さんも愉快な仲間たちのいる、洞爺月浦のglass cafe gla_glaへ是非♪
 
一度行ってみる価値は大ありです。
 
 
 
今回お世話になりました愉快な仲間たちglass cafe gla_glaメンバー。
本当に2日間ありがとうございました。
左からサッコちゃん、愛ちゃん、典ちゃん、大介さん、そして私。


 

いよいよ高臣大介 世界へ羽ばたきます!!

 


 【番外編】今回はみんなで洞爺湖に早朝カヌーに出掛けました。この自然も洞爺の魅力です。